のど飴は、風邪を引いたときや喉がイガイガするときだけでなく、仕事中や休憩中、気分をリフレッシュするために食べるという方も多いです。
しかし、のど飴の摂取は、場合によっては虫歯のリスクを高めることにつながるため、注意してください。
今回は、のど飴と虫歯の関係を中心に解説します。
のど飴が虫歯につながる2つの理由
のど飴を食べることによって虫歯のリスクが高まる理由は、主に以下の2つです。
・砂糖が多く含まれているから
・長時間口内に滞在するから
砂糖が多く含まれているから
のど飴は、喉のケアや気分のリフレッシュに一役買いますが、食べ過ぎると虫歯になりやすくなります。
その理由の一つに、砂糖が多く含まれることが挙げられます。
一般的なのど飴1粒に含まれている砂糖は、およそ5gです。
こちらの数字だけ見ると、それほど多くないように思いますが、5gはシュガースティック1本分に相当する量であり、のど飴のサイズを考えると、非常に多くの砂糖が入っていることがわかります。
長時間口内に滞在するから
のど飴は、ゆっくりと舐めていればずっと味わえるため、1粒だけで食べ終わるという方は少ないです。
実際、普段からのど飴を食べる方は、ついつい2粒、3粒と手を伸ばすことも多いかと思います。
しかし、のど飴は1粒食べるまでに、ある程度時間がかかるものです。
いわゆる“だらだら食べ”が必須の食べ物であり、このような食べ方をしていると、口内が常に酸性に傾き、歯が溶ける時間も長くなってしまいます。
また、のど飴は何粒も連続で食べる方が多いため、口内の中和が追い付かず、酸性に傾く時間はさらに長くなります。
のど飴を食べすぎることによるその他の口内トラブル
のど飴は虫歯のリスクを高めるだけでなく、食べすぎることにより、以下のような口内トラブルにつながることもあります。
・細菌、ウイルスに感染しやすくなる
・喉の粘膜を傷める
細菌、ウイルスに感染しやすくなる
のど飴を食べすぎると、繊毛運動の働きが低下します。
繊毛運動とは、体内に侵入したウイルスなどの異物を体外に排出する仕組みであり、呼吸によって体内に入ったウイルスは、鼻や喉の表面を覆う粘膜にある粘液に付着し、その下にある繊毛によって体外に排出されます。
しかし、のど飴を食べすぎると、口内に常に食べ物が入っている状態になり、粘膜を保護する作用が不足します。
これにより、侵入したウイルスをうまく排除できず、感染しやすくなります。
喉の粘膜を傷める
医薬品、指定医薬部外品ののど飴に含まれる有効成分は、用量を正しく守ることによって効果を発揮します。
そのため、用量を守らず、1日に4粒も5粒も摂取していると、有効成分の過剰摂取につながり、かえって口内や喉の粘膜を傷めてしまうおそれがあります。
虫歯になりにくいのど飴の選び方
どのようなのど飴を選ぶかによっても、虫歯のリスクは大きく変わってきます。
できるだけ虫歯のリスクを下げたいという方は、以下のようなのど飴を選びましょう。
・砂糖不使用ののど飴
・キシリトール配合ののど飴
砂糖不使用ののど飴
のど飴が虫歯につながる大きな原因は、大量の砂糖が含まれていることです。
虫歯菌は、砂糖をエネルギーにして酸を産生し、歯の表面を溶かして虫歯をつくるため、砂糖不使用ののど飴であれば、虫歯のリスクはかなり下げることができます。
砂糖不使用かどうかは、パッケージ裏の成分表を確認するか、表面にシュガーレスもしくはノンシュガーと表示されているかを確認することでわかります。
キシリトール配合ののど飴
キシリトールは、糖アルコールの一種であり、虫歯予防に効果を発揮します。
キシリトールは、唾液分泌の促進と再石灰化の作用があるため、プラーク中の酸の促進を防ぎ、虫歯菌の代謝を阻害します。
また、他の糖アルコールは、口内にある常在菌によって酸をつくりますが、キシリトールは常在菌が利用できないため、酸をつくることがありません。
そのため、のど飴を選ぶ際には、こちらのキシリトールが豊富に含まれているものを選ぶべきです。
トローチも虫歯になる?
一般的なトローチは、喉の炎症を抑える効果の他、口内の殺菌、消毒効果があるため、舐めることで細菌を減少させることができます。
ここでいう細菌には、当然虫歯の原因菌も含まれています。
ただし、甘味料などの添加物が含まれている場合、細菌の減少が期待できるトローチであっても、虫歯を発症する可能性もあります。
つまり、トローチものど飴と同様、どのような製品を選ぶかが大事になってくるということです。
まとめ
ここまで、のど飴と虫歯の関係性を中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
のど飴を舐めるという習慣は、虫歯予防の観点でいうと、お世辞にも良いことではありません。
もちろん、砂糖不使用のものを選んだり、食べてすぐに歯を磨いたりすることで、虫歯のリスクは低下しますが、1日に何粒も食べていると、このような対策の効果も薄れてしまうため、食べすぎには注意してください。