歯を失ってしまった人に人気の施術が、インプラント治療です。
失った歯の代わりになり、元の歯に近い感覚で使用できるという点が人気のインプラント治療ですが、メリットやデメリットとしてどのような点が挙げられるのでしょうか?
インプラント治療のメリット、デメリットについて紹介します。
インプラント治療のメリット
インプラントは、土台となるインプラント体を顎の骨に埋め込んでしっかりと固定する治療なので、他の治療方法には無いメリットも数多くあります。
歯が無くなった時の安価な治療方法として、ブリッジ治療というものがあります。
ブリッジ治療は、失われた歯の左右の歯を削り、真ん中部分の空洞に被せるクラウンを保持するという治療方法です。
ただ、ブリッジ治療には、左右の健康な歯がダメージを受けてしまうというデメリットがあります。
一方、インプラントの場合は独立した土台のインプラント体を埋入して上部構造を被せるため、他の歯を傷付けることはありません。
また、歯は刺激を受けない状態が続くと骨吸収が起こり、もろくなったり分解されたりしてしまいます。
インプラントの場合、顎と直接つながることになるため刺激がしっかりと伝わり、残った歯に骨吸収が起こるのを遅らせることができるのです。
安定性が高いのも、インプラントのメリットです。
入れ歯の場合は本来の歯の10%、高くても40%ほどの力でしか噛むことができませんが、インプラントの場合はほぼ100%の力で噛むことができます。
入れ歯などはズレてしまうことも多く、食事の味があまりわからないことがある、というデメリットもあります。
しかし、インプラントの場合はズレたり食事の味に影響したりする心配もないので、安心して食事ができるのです。
歯を失った時、ブリッジ治療をした人などの中には、見た目を気にしてあまり大きく口を開けられないという人も少なくありません。
しかし、インプラントであれば見た目も本物の歯に近いので、全く気にする必要がないということもメリットの1つでしょう。
一部の歯が欠けていたり、噛みにくかったりする場合は左右の噛む力のバランスが崩れてしまいます。
噛む力のバランスが悪いことが、頭痛や肩こりの原因になってしまうこともあるのです。
インプラント治療を行った場合、失われた歯の代わりになって、本来の自分の歯と変わらない感覚で噛むことができるので、アンバランスになることがありません。
左右のバランスを整えることができるのも、インプラントのメリットといえるでしょう。
以上のとおり、インプラント治療にはさまざまなメリットがあります。
インプラントのメリットに条件が当てはまる場合は、インプラントを選択した方がいいでしょう。
一度治療すると、長ければ10年以上使い続けることもできます。
インプラント治療のデメリット
インプラント治療のデメリットとして、どのようなことが挙げられるでしょうか?
まず挙げられるのが、身体がインプラントを拒絶してしまうことがある、という点です。
インプラント治療では、インプラント体を顎の骨に埋め込んで結合させます。
しかし、身体がインプラント体を異物と判断してくっつかずに、外れてしまうこともあるのです。
正しく結合する可能性は98~99%以上といわれているので、拒絶されるのは100本に1本程度でしょう。
絶対に成功するとはいえませんが、拒絶されることはまずないといえるでしょう。
インプラントの場合、歯茎の切開や縫合、インプラントの埋入などの外科的な手術があります。
手術がある以上、リスクも覚悟しなくてはいけません。
手術によるリスクは、事前の準備を入念に行うことで発生する可能性を低くできます。
歯科医師のインプラント手術の経験が多ければ、失敗の可能性も低くなるでしょう。
インプラント治療をした人の中には、術後に施術箇所の周辺の骨が無くなってしまう人もいます。
辺縁骨吸収というもので、原因として手術中の外傷やインプラントの埋入が深すぎるケース、何度も手術を繰り返したケースなどが挙げられます。
最も気を付けたいのが、インプラント周囲炎と言われる症状が発生することです。
インプラントは天然の歯と比較すると細菌が発生しやすい傾向にあります。
そのため、メンテナンスを怠ると周囲に歯周病の原因となる菌が繁殖してしまい、歯肉炎や歯周病が発症することがあるのです。
原因として多いのが、歯磨きなどのセルフケアを怠ってしまうケースです。
インプラントは虫歯にならないとはいえ、その周囲に影響が及んでしまうことに留意する必要があります。
治療を受けた後は、セルフケアと定期メンテナンスを怠らないようにしましょう。
まとめ
インプラント治療には、さまざまなメリットやデメリットがあります。
治療を受ける前にどのようなメリットやデメリットがあるのか把握しましょう。
また、インプラント治療を検討する際は、必ず歯科医に相談してください。
心配な場合は、インプラント治療の経験が豊富な歯科医師に任せることをおすすめします。