自宅で行うホームホワイトニングは、通院の手間がほとんどかからない上に、好きな時間に行えるのがメリットです。
ただし、患者さん自身が行うからこそ、きっちりと施術のルールは守らなければいけません。
今回は、ホームホワイトニングでやってはいけないことについて解説します。
ホームホワイトニングの正しい手順
自宅でホームホワイトニングを行う際は、以下のような正しい手順を踏まなければいけません。
・ブラッシング
・マウスピースに薬剤を塗る
・マウスピースを装着する
・1~2時間後にマウスピースを外す
・ブラッシング
まずはブラッシングでプラークや食べカスを取り除きます。
その後、マウスピースに米粒大ほどの薬剤を塗布します。
塗布するのは、歯1本のスペースにつき1粒程度です。
そしてマウスピースを1~2時間装着したら取り外し、口内をすすいでマウスピースを水洗いします。
最後に、もう一度しっかり歯のブラッシングをして完了です。
ホームホワイトニングでやってはいけないこと5選
ホームホワイトニングでは、効果や安全への悪影響を避けるために、以下のような行動を控えなければいけません。
・ホワイトニングの期間を長くする
・大量の薬剤を塗布する
・寝ながらホワイトニングをする
・マウスピースを噛みしめる
・施術直後に色の濃いものを摂取する
各項目について詳しく説明します。
ホワイトニングの期間を長くする
ホームホワイトニングを行う場合、当初予定されていたホワイトニングの期間をきちんと守らなければいけません。
ホームホワイトニングの期間は、1クールにつき14回が一般的です。
そのため薬剤が余ったからといって、患者さんの判断で15回、16回と施術の回数を増やすのはNGです。
無断でホワイトニングの期間を長くすると、歯へのダメージが蓄積されます。
また、ダメージが蓄積すると知覚過敏の症状が出ることも考えられます。
大量の薬剤を塗布する
ホームホワイトニングの正しい手順でも説明した通り、マウスピースの塗布する薬剤の量は、米粒大程度にしておかなければいけません。
早くホワイトニングの効果が得たいからといって、これ以上大量塗布するのは避けるべきです。
ホームホワイトニングは、薬剤の量を増やしたとしても、基本的に効果が早まることはありません。
なぜならマウスピースの内部に入る量はある程度決まっていて、多く塗布してもほとんどが外側に溢れ出るからです。
また薬剤の量が多いと、マウスピースから溢れた歯茎に薬剤が付着することがあります。
これにより、一時的に歯茎が白く濁り、かえって口元の審美性が下がることにもつながりかねません。
寝ながらホワイトニングをする
寝ている時間を利用してホームホワイトニングを行うことも、患者さんが避けなければいけない行動の一つです。
なかなかホームホワイトニングの時間が取れないという方は、「就寝時間を利用すれば楽なのでは」という考えに至るかもしれません。
しかし、ホームホワイトニングにおけるマウスピースの装着時間は1~2時間程度です。
一度就寝してしまうと、1~2時間で起きることはあまりありません。
また長時間マウスピースを装着すると、薬剤が粘膜に長い間付着し、炎症やただれにつながるおそれがあります。
さらに寝たままだと喉の奥に薬剤が流れ込んだり、飲み込んだりする可能性もあり、安全性が保障できません。
マウスピースを噛みしめる
ホームホワイトニングはマウスピースを装着して行うものですが、施術中強く噛みしめるのはNGです。
なぜなら、ホームホワイトニング用のマウスピースは、それほど硬くないからです。
強く噛みしめると、簡単に破損してしまいます。
特に、歯ぎしりや食いしばりがある方は注意が必要です。
また歯ぎしりや食いしばりでマウスピースが破損すると、薬剤が唾液で流れてしまうこともあります。
このようなことが頻繁に起こると、本来のホームホワイトニングの効果を発揮できない可能性が高いです。
施術直後に色の濃いものを摂取する
ホームホワイトニングが完了しても、しばらくは油断してはいけません。
特に色の濃いものの摂取については、施術直後は控えるべきです。
ホームホワイトニング直後の歯は、歯を保護するペリクルという膜が除去された状態であり、色の濃い飲食物の色素が沈着しやすいです。
ペリクルは唾液に触れることで少しずつ元の状態に戻りますが、元に戻るまでには48時間ほどかかるため、それまでは着色しやすいものを避けなければいけません。
また、ホームホワイトニングは、基本的には1週間に4日~毎日行う必要があります。
つまり、ホームホワイトニングの期間中は、基本的に色の濃いものが食べられないということです。
まとめ
ホームホワイトニングは自由度が高い反面、患者さんで責任を持って行わなければいけない治療です。
オフィスホワイトニングのようにプロが施術をしてくれるわけではありませんし、毎回状態をチェックしてくれるわけでもありません。
そのため自己管理に自信がないという方は、ある程度通院の手間がかかることを覚悟して、オフィスホワイトニングを選ぶ方が賢明だと言えます。