虫歯を防ぐための方法として、食生活の改善が挙げられます。
具体的には、野菜中心の食生活にし、口内のアルカリ性をキープすることなどが挙げられますが、身近なものとしては、実はお茶の摂取も虫歯予防につながります。
今回は、お茶が持つさまざまな虫歯予防効果を中心に解説します。
虫歯予防効果のあるお茶とそれぞれの特徴
虫歯予防の一環として摂取すべきお茶には、主に以下の種類が挙げられます。
・緑茶
・ウーロン茶
・麦茶
・紅茶
緑茶
緑茶は、虫歯予防効果が期待できるお茶の代表格です。
さまざまな成分が含まれている緑茶ですが、中でもポリフェノールの一種であるカテキンは、口内疾患に対して良い効果をもたらします。
例えば、虫歯や歯周病の原因菌が増えることを防止したり、口臭を改善したりすることにつながります。
ウーロン茶
甘いものを多く食べると、虫歯のリスクが高まるとされていますが、こちらは甘い糖分が虫歯菌と結びつくことで、グルカンという成分が生成されることが理由です。
グルカンは、ネバネバとした水に溶けにくい成分であり、こちらに多くの細菌が組み合わさり、大きな塊に成長していきます。
こちらが、歯に付着するプラークの正体です。
ウーロン茶には、こちらのグルカンを大幅に減らす働きがあり、その効果は緑茶の6倍にも上ると言われています。
そのため、甘いものとウーロン茶を合わせれば、ある程度虫歯を予防する効果が期待できます。
麦茶
広く親しまれている麦茶にも、虫歯予防効果があります。
麦茶に含まれる虫歯の予防成分は、抗酸化作用でも有名なポリフェノールと、褐色の成分であるメラノイジンです。
これらの成分は、虫歯の原因菌をはじめとするバクテリアが歯に付着するのを防止する働きがあります。
また、日頃から麦茶をよく飲んでいる方は、そうでない方と比べて、プラークや唾液中の細菌量が少なくなっていることも報告されています。
紅茶
紅茶には、フッ素が豊富に含まれています。
フッ素には、虫歯の原因菌の働きを弱め、歯から溶け出したカルシウムやリンの再石灰化を促進し、歯の表面を強くして、虫歯になりにくくする効果があります。
ちなみに、お茶に含まれるフッ素濃度は、紅茶が1.82ppmなのに対し、ほうじ茶が1.02ppm、一般的な煎茶が0.80ppm、ウーロン茶が0.48ppmであり、紅茶にもっとも多く含まれていることがわかっています。
ミネラルウォーターも虫歯予防に適した飲み物
飲み物における虫歯のリスクは、含まれている成分だけでなく、pH値という値でもある程度判断することができます。
pH値とは、イオン指数のことであり、リトマス紙を使用して、酸性もしくはアルカリ性を判定するためのものです。
こちらの数値が5.5以下になると、歯が溶け始めるため、虫歯予防の観点からは危険とされています。
また、お茶はpH6.5と数値が極端に低いため、虫歯のリスクは低く、ミネラルウォーターに至っては7.0であるため、こちらが原因で虫歯を発症する可能性はほとんどありません。
硬水は特に虫歯予防効果が高い
市販されているミネラルウォーターには、軟水と硬水があります。
これらは、水1リットルあたりのカルシウム、マグネシウムの含有量を表す硬度の違いによって分けられるもので、WHOが定める基準では、硬度120mg以上が硬水、120mg未満が軟水とされています。
また、海外製のミネラルウォーターなどには硬水が多く、こちらには歯の再石灰化を促す作用があります。
具体的には、硬水にはミネラルが多く含まれていることから、失われたカルシウムなどを補ってくれるため、再石灰化が促されるという仕組みです。
そのため、硬水をよく飲む方の歯はとても硬く、虫歯を予防しやすくなります。
お茶の着色作用について
前述の通り、お茶にはさまざまな虫歯予防効果がありますが、お茶に含まれるタンニンなどのポリフェノールは、着色の原因になります。
歯の表面には、ペリクルというタンパク質で構成された膜が存在しますが、お茶を飲むとポリフェノールが歯に付着し、これらが結合することにより、着色汚れとして現れます。
特に、緑茶やウーロン茶、紅茶などはポリフェノールの含有量が多いため、摂りすぎると歯に色素が付きやすくなります。
逆に、麦茶はポリフェノールが少ないため、虫歯予防としても、着色予防としても優れていると言えます。
ちなみに、着色しやすいお茶であっても、お茶を飲んだ後にすぐ水で口をゆすげば色素は薄まりますし、虫歯になりにくいキシリトールガムを噛むことで、唾液の分泌量が増え、口内を洗い流すことが可能です。
就寝中は、日中よりも唾液が分泌されにくく、着色が起こりやすいため、寝る直前にお茶を飲み、そのまま就寝するのは避けましょう。
まとめ
ここまで、お茶が持つさまざまな虫歯予防効果を中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
日頃から虫歯予防を徹底したいという方は、お茶やミネラルウォーター以外の飲み物を極力口にしないことをおすすめします。
また、お茶による着色汚れを避けるためには、お茶を飲んだ後の口内ケアをすることも忘れてはいけません。