虫歯を予防するためには、甘いものなど虫歯菌が好むものをなるべく避け、食後にはきちんとブラッシングをする必要があります。
また、食事の内容だけでなく、摂取の仕方によっても、ある程度虫歯は予防できます。
ここからは、虫歯のリスクを軽減する食べ方のコツについて解説したいと思います。
虫歯のリスクを軽減する食べ方7選
食事のとき、以下のような食べ方を意識するだけで、虫歯のリスクは低くなります。
・規則正しく食べる
・よく噛む
・それぞれの歯をしっかり使う
・正しい順番で噛む
・正しい姿勢で噛む
・集中して食べる
・寝る直前の食事を避ける
規則正しく食べる
虫歯のリスクを減らすには、まず規則正しい食生活を送ることが大切です。
不規則な時間帯に食事をしたり、食事の回数が多かったりすると、プラークが歯に付着している時間が多くなります。
特に注意したいのは、お菓子などの“ダラダラ食べ”です。
一般的に、お菓子は昼食と夕食の間に摂るケースが多いですが、こちらの時間以外にも常に何かを口にしていると、口内が酸性に傾いている時間が長くなり、再石灰化が行われず、虫歯のリスクは高まります。
よく噛む
日々の食事では、よく噛むことを意識するのも大切です。
よく噛むことによって唾液の分泌量が多くなり、虫歯を再石灰化させる効果が上昇します。
再石灰化は唾液の成分で起こるため、よく噛んで唾液を多く出すことで、虫歯予防の効果が期待できます。
ちなみに、よく噛むことは、顎の筋肉が鍛えられ、歯が並ぶための顎の骨を発育させるため、歯並びを良くする効果もあります。
それぞれの歯をしっかり使う
食事を摂るときに意識すべきなのは、それぞれの歯をしっかりと使うということです。
前歯には、食べ物を切る役割があり、奥歯には食べ物をすり潰す役割があります。
そのため、前歯ではなく、奥歯を使って食べ物を噛みちぎったり、奥歯ではなく、前歯で食べ物をすり潰したりすると、均等に歯が使えず、噛み合わせのバランスが乱れるおそれがあります。
また、噛み合わせの悪化は、食べカスが残りやすいことなどから、虫歯を悪化させる原因にもなりかねません。
正しい順番で噛む
先ほども少し触れましたが、歯にはそれぞれ食事における役割というものがあります。
また、食べ物を口に入れて咀嚼し、飲み込むまでの流れは、以下のようにするのが理想的です。
・前歯で食べ物をとらえる(噛み切る)
・口を閉じる
・舌で少しずつ食べ物を口の奥に運ぶ
・歯全体で咀嚼する
・奥歯ですり潰す
・飲み込む
このとき、間違った順番で食事を摂り、それが常習化することにより、特定の歯だけにダメージが蓄積し、痛みや歯が割れるなどのリスクが高まります。
もちろん、歯が割れてしまった部分については、プラークが入り込みやすく、虫歯を発症しやすくなります。
正しい姿勢で噛む
食事を摂る際は、正しい姿勢を取ることでも、虫歯を予防できます。
食事中の悪い姿勢とは、主に猫背やお腹が突き出た姿勢のことを指しています。
このような状態で食事を続けていると、虫歯や歯周病のリスクは高まります。
人は猫背のとき、口が開いたままになるケースが多く、必然的に口呼吸の機会が増加します。
また、口呼吸が増えると、口内を洗い流してくれる唾液の分泌量が減少し、虫歯あるいは歯周病のリスクが高まることも考えられます。
もちろん、唾液が減ると、単純に口内が乾燥し、強い口臭を発することもあるため、注意が必要です。
集中して食べる
集中して食べることも、虫歯予防につながる食べ方の一つです。
例えば、食事中にテレビをつけるという方は多いかと思いますが、テレビを観ながら食事を摂ると、どうしてもテレビに気が行ってしまい、食べ物を噛むことがおろそかになってしまいます。
また、噛むことがおろそかになると、必然的に噛む時間が長くなり、口内が酸性に傾く時間も長くなります。
特に、子どもはテレビやスマホ、タブレットなどの動画に夢中になることが多いため、これらはなるべく食事の前か、食事を摂った後に見せるようにしましょう。
寝る直前の食事を避ける
たとえ朝、昼、晩と規則正しい食生活を送れていたとしても、夕食の時間が寝る直前になってしまうのは、虫歯予防の観点からあまり良くありません。
唾液は歯の表面について汚れを洗い流したり、虫歯菌の出す酸を中和したりしていますが、就寝中は極端に分泌量が減少します。
朝起きたとき、口の中がひどく乾燥しているのはこちらが原因です。
そのため、夕食後にブラッシングをしたとしても、夕食から就寝までの時間が短いと、日中に比べて口内の自浄作用が発揮されにくくなり、虫歯のリスクは上がってしまいます。
まとめ
ここまで、虫歯のリスクを軽減する食べ方のコツについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
日頃食事を摂るときの噛み方、姿勢などについて、しっかり意識しているという方は決して多くありません。
もちろん、ブラッシングや食べるもののチョイスも重要ですが、虫歯を予防するには、正しい食べ方についても予防歯科の一環と考えるべきです。