毎日のブラッシングにより、細菌の塊であるプラークを除去し、口内の細菌を減らすことで、虫歯になりにくい口内環境がつくられます。
また、ブラッシングで使用するのが歯ブラシであり、こちらにはさまざまな種類があります。
今回は、歯ブラシの種類やそれぞれの特徴、選び方などについて解説したいと思います。
歯ブラシの種類について
歯ブラシの種類は、主に以下のポイントで分けることができます。
・ヘッドの大きさ
・毛の硬さ
・ヘッドの形状
・毛先の形状
・毛の材質
それぞれの項目について詳しく見てみましょう。
ヘッドの大きさ
ヘッドの大きさについては、一般的には縦が植毛3列で、小さめのサイズが適正サイズです。
ヘッドが大きすぎると、奥歯や細かい部分へ毛先が届きにくく、磨き残しが多くなります。
つまり、虫歯のリスクが高まるということです。
特に、男性より女性は口が小さい方が多いため、小さいサイズを選ぶことをおすすめします。
ただし、ヘッドが小さすぎる歯ブラシは、細かい部分まで磨けるものの、全体を磨くのに時間がかかります。
そのため、やや小さいくらいがもっとも丁度良いでしょう。
毛の硬さ
歯ブラシの毛の硬さには、やわらかめ、ふつう、かための3種類があります。
その中でも、一般的におすすめなのは、やはり中間のふつうです。
プラークの除去のしやすさだけを考えれば、かため⇒ふつう⇒やわらかめという順になりますが、毛の硬い歯ブラシは、磨けば磨くほど歯や歯茎が摩耗します。
一度擦り減った歯や歯茎を再生することは困難であるため、こちらも考慮すると、やはり硬さはふつうの歯ブラシが無難だと言えます。
ちなみに、やわらかめは歯茎を傷付けにくいため、歯茎がすでに弱っている方、歯肉炎で出血しやすい方などにはおすすめです。
ヘッドの形状
歯ブラシのヘッドの形状には、毛先がまっすぐ平らの平切り型(フラットタイプ)と、毛先がギザギザと山のようになっている段切り型(山形タイプ)があります。
毛先の1本1本が歯面に当たるフラットタイプの方が、プラークを落とす清掃効果は高いとされていますが、歯と歯の間が磨きにくい方や、歯並びが複雑な方は、その部分に毛先が届きやすい山形タイプがおすすめです。
毛先の形状
歯ブラシは製品によって、毛先の形状も変わってきます。
毛先の形状には、主にラウンドカット毛とテーパード毛の2種類があります。
ラウンドカット毛は、1本1本が丸めの毛先になっていて、歯茎に優しく、傷付けない工夫が施されています。
歯の表面に多く触れるため、汚れが落ちやすく、特にラウンドカット毛のフラットタイプは、虫歯予防に向いている歯ブラシだと言えます。
また、テーパード毛は、先端に向かうにつれて細くなっていくタイプです。
毛先が細いため、歯と歯の間や歯周ポケットの汚れも落とすことができ、こちらは歯周病予防に向いています。
毛の材質
市販の歯ブラシのほとんどは、毛先に人工毛が使用されています。
また、こちらの人工毛は、ナイロンと飽和ポリエステル樹脂の大きく2つに分かれます。
ナイロンは、安価かつ素材の王道であり、これといって大きな特徴はありませんが、吸水性が低いため、ブラッシング後も水を含みにくく、乾燥しやすい、雑菌が繁殖しづらく衛生的といったメリットがあります。
特に毛質にこだわりのない方は、比較的手ごろな価格で購入しやすいナイロンの歯ブラシで問題ありません。
一方、飽和ポリエステル樹脂は、ナイロンよりもコシがあり、しなやかさと耐久性の高さに優れた素材です。
弾力のある毛でしっかりとブラッシングできる上に、歯茎に刺さりにくく、口内を傷付けない高い機能性を備えています。
ただし、価格帯としてはナイロンより少しお高めです。
歯ブラシを交換するタイミングは?
歯ブラシを長期間使い続けると、毛先がボロボロになって歯や歯茎を傷めたり、細菌が繁殖したりするため、適切な時期に交換する必要があります。
具体的には、1ヶ月に1回は新しい歯ブラシに交換しましょう。
歯ブラシを1ヶ月も使用していると、毛先が乱れ、細菌も繁殖します。
市販の歯ブラシは、100~300円程度のものが主流であり、1ヶ月に1回交換しても、それほど大きな負担にはならないかと思います。
ちなみに、1ヶ月に1回交換というのはあくまで目安であり、より高頻度に交換することは特に問題ありません。
新しい歯ブラシほど清潔であり、汚れも効率的に落とせるからです。
しかし、毛先が広がりやすいという理由で、高頻度に歯ブラシを交換している方は、必要以上に強い力でブラッシングを行っている可能性が高いため、注意してください。
まとめ
ここまで、虫歯予防のための歯ブラシの選び方について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
虫歯を予防するにあたって、毎日ブラッシングをすることは大切ですが、どうすればより汚れが取れるのかを意識しなければ、十分な虫歯予防にはなりません。
また、そのためには磨き方を工夫するだけでなく、歯ブラシ選びにもしっかり時間をかける必要があります。