虫歯治療は、複数回歯科クリニックに通い、段階を踏んでさまざまな治療を行った上で、ようやく完了します。
1回の通院で済むことは、基本的にはありません。
しかし、中には虫歯治療を途中でやめてしまう方もいます。
ここからは、治療を途中でやめるデメリットと、継続して通うための対策について解説します。
虫歯治療を途中でやめることのデメリット5選
せっかく虫歯治療を開始したにもかかわらず、最後まで治療を行わないまま、途中で通院しなくなってしまう方も少なくありません。
このようなケースでは、主に以下のデメリットが生まれます。
・虫歯が進行しやすくなる
・治療が最初からやり直しになる
・無駄なコストがかかる
・他の歯に影響する
・その歯科クリニックに通いづらくなる
虫歯が進行しやすくなる
虫歯治療を途中でやめてしまうと、一切治療しない場合よりも、さらに進行しやすくなる可能性があります。
例えば、神経を除去した段階で通院しなくなると、歯の内側のやわらかい部分が虫歯菌に侵食されやすくなります。
また、神経がない歯は痛みをあまり感じないため、気付いたら深くまで虫歯が進行しているというケースも珍しくありません。
具体的には、1ヶ月程度治療を中断することにより、抜歯をしなければいけないほど重度の虫歯になることが考えられます。
治療が最初からやり直しになる
虫歯治療を途中でやめることにより、すでに完了した工程を最初からやり直さなければいけない可能性もあります。
例えば、インレーの型を取った段階で、歯科クリニックに通わなくなってしまったとします。
この場合、型取りから装着までの時間が空くことにより、歯の状態は変わり、いざ装着しようとしても、違和感があったり、噛み合わせが悪くなったりしてしまうことがあります。
そのため、もう一度現在の歯の状態に合わせ、インレーの型取りをしなければいけません。
無駄なコストがかかる
先ほども触れたように、虫歯治療を途中でやめることにより、すべての治療を最初からやり直さなければいけないことがあります。
そのため、当然これまでにかかったコストは無駄になります。
一般的な虫歯治療であれば、そこまで金額が高くなることはありませんが、根管治療や高価な素材のインレー、クラウンなどを使用する場合などは、数万円単位のコストがかかることもあります。
また、治療を中断している間に、他の虫歯を発症すると、本来かからなかったはずの費用まで負担しなければいけないことも考えられます。
他の歯に影響する
虫歯治療を途中でやめる場合、治療中の歯はいわば削りっぱなしの状態になります。
また、こちらが他の歯に影響を与えることもあります。
例えば、前歯の虫歯を削りっぱなしの場合、噛み合わせが悪くなります。
噛み合わせが悪い状態が続けば、顎も痛くなりますし、頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。
ちなみに、奥歯を削りっぱなしで放置した場合、隣の歯が傾いたり、歯が削れてきたりするおそれもあります。
こちらも、本来かかるはずではなかったコストが発生することにつながります。
その歯科クリニックに通いづらくなる
こちらは心理的な問題ですが、一度虫歯治療を無断でやめてしまうと、今後その歯科クリニックに通いづらくなります。
もちろん、中断したからといって、治療の再開を断られるということはありませんが、どうしても気まずさを感じ、より通院しにくくなってしまうことは避けられません。
虫歯治療を中断しないための対策について
虫歯治療を中断しないために大切なのは、やはり歯科クリニック選びです。
歯科クリニックを選ぶ際、できるだけ家の近くで選ぶという方は多いかもしれませんが、評判については事前にチェックしておくことをおすすめします。
歯科クリニックの医師は、患者さんの気持ちに寄り添って説明や治療を行ってくれますが、一人の人間である以上、やはり性格が合う、合わないということはあります。
そのため、対応に違和感を覚えた場合には、より安心して治療を受けられる歯科クリニックを探してみましょう。
また、虫歯治療自体がどうしても怖いという方は、極力痛みの少ない治療を選択するのも一つの手です。
痛みの感じ方には個人差がありますし、虫歯のできた場所や程度によっては、麻酔が効きにくいこともあります。
特に痛みを感じやすい方は、その旨を歯科クリニックに伝え、表面麻酔を行うように依頼することも可能です。
こうすることで、いつ来るかわからない痛みに怯え続ける必要もなく、安心して虫歯治療を継続することができます。
まとめ
ここまで、虫歯治療を途中でやめることのデメリットや、継続して通院するためのポイントについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
虫歯治療は、1から10まで完了しなければ、基本的に受ける意味がありません。
また、虫歯治療を行っている最中、仕事上の関係などにより、その歯科クリニックに通い続けるのが困難になるというケースもありますが、転院に関しても、基本的にはおすすめできません。