【川崎の歯医者・口腔外科治療】入れ歯を使用する方の食事における注意点

歯を失ったとき、多くの方が真っ先に考えるのは入れ歯の装着だと思います。

入れ歯は主に高齢の方が装着し、日々の生活における利便性を高めるために用いられるものです。

しかし、快適な生活を送るにはいくつか注意しなければいけないこともあります。

今回は、入れ歯を使用する方の食事における注意点を中心に解説します。

入れ歯を使用する方の食事における注意点4選

初めて入れ歯を装着する方は、以下の注意点を押さえながら、適切に食事を摂ることを心掛けなければいけません。

・前歯で噛み切り奥歯で潰す
・食べやすいように調理する
・食べやすい食品を選ぶ
・食後のメンテナンスを欠かさない

各項目について詳しく説明します。

前歯で噛み切り奥歯で潰す

総入れ歯を装着する方は、すべての歯を入れ歯でカバーすることになるため、特に咀嚼の方法に気を付けなければいけません。

入れ歯を装着した状態での基本的な咀嚼方法は、前歯でものを噛み切り、奥歯で潰すという方法です。

入れ歯の装着は奥歯から始まることが多いため、噛み切るのも潰すのもすべて前歯で行っている方は多いかと思いますが、こちらはNGです。

なぜなら前歯だけで咀嚼してしまうと、入れ歯が入っている奥歯が浮いてしまい、動揺したり外れたりするリスクが高まるからです。

また入れ歯が入った状態でものを噛むときは、左右両方で同時に噛むことも意識しましょう。

いずれか一方だけで噛み続けていると、片方が浮いてしまい、食事の際の不便さや違和感が大きくなります。

特に下顎の総入れ歯は、ピッタリ歯茎に吸いつくように作るのが難しいため、しっかり左右同時に噛んで安定させなければいけません。

食べやすいように調理する

入れ歯を使用する方は、なるべく食べやすいように食材を調理する必要があります。

まず食材の大きさについては、なるべく小さめの一口サイズくらいにしましょう。

これまで当然のように食べてきたサイズのものでも、入れ歯を装着するとうまく咀嚼できなくなることが考えられます。

また食材を薄く切ったり、切れ目を入れたりする方法も有効です。

例えば蒲鉾や漬物など、そのままでは食べにくいものでも、薄く切ったり切れ目を入れたりすれば食べやすくなります。

その他、食材をよく煮込んでやわらかくしたり、肉の筋をしっかり断ち切ったりする方法もおすすめです。

煮込み料理については、温度が高くなりすぎないようにしましょう。

なぜなら、総入れ歯の場合は義歯床が分厚く、本来食べられないほど熱いものも食べることができるからです。

つまり、入れ歯がない部分の火傷につながりやすいということです。

ちなみに、野菜などはみじん切りにすれば食べやすいと考える方もいますが、こちらはおすすめできません。

みじん切りにされた食材は、入れ歯と歯茎の間に入り込みやすく、痛みや磨き残しなどのリスクが高まります。

食べやすい食品を選ぶ

入れ歯を使用して食事を摂る場合、できるだけ食べやすい食品を選ぶことも大切です。

特に入れ歯を入れたばかりの頃は、やわらかいものから食べ始めるようにしましょう。

時間が経過し、咀嚼に慣れてきた段階で、少しずつ硬さのあるものを採り入れていくのが理想的です。

また入れ歯を装着する方は、硬い食べ物を避けがちになりますが、時期が来れば硬いものは適度に摂らなければいけません。

ずっとやわらかいものばかり食べていると、歯茎が痩せて咀嚼能力はどんどん低下してしまいます。

さらにやわらかいものばかり食べていると、唾液の分泌量が減少し、口内の洗浄作用や抗菌作用の他、身体の消化作用も働きにくくなります。

食後のメンテナンスを欠かさない

入れ歯の状態で食事を摂った後は、入れ歯のメンテナンスが欠かせません。

具体的には、入れ歯用のブラシやマウスウォッシュ、入れ歯洗浄剤などのアイテムを駆使し、丁寧に汚れを落とします。

このとき、通常の歯ブラシや歯磨き粉などは使用してはいけません。

通常の歯ブラシで入れ歯を磨くと表面にキズがつきますし、歯磨き粉には研磨剤が含まれているおそれがあるからです。

また、入れ歯を磨く際には、たとえ入れ歯用ブラシであっても強い力を入れてはいけません。

強く擦りすぎると、歯ブラシで磨いた時のように入れ歯にキズがついてしまい、装着時や咀嚼時の違和感が大きくなります。

ちなみに、入れ歯を使用する方は入れ歯のメンテナンスばかりに気を取られがちですが、キレイにしなければいけないのは天然歯も同じです。

特に部分入れ歯を装着する場合、口内をキレイな状態にしておかなければ、天然歯で虫歯や歯周病を発症しやすくなります。

まとめ

総入れ歯や部分入れ歯は、患者さんの快適な食事をサポートしてくれるものですが、それはあくまで正しい食事を行っていることが前提です。

噛み方を間違えたり、硬いものばかり食べていたりすると、食事の際の違和感や痛みが大きくなりますし、入れ歯の劣化も早まります。

またメンテナンスについても、入れ歯を状態良く使い続けることを意識して行わなければいけません。

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