自宅で行うことができるホームホワイトニングでは、専用のマウスピースを使用します。
具体的には、薬剤を塗布したマウスピースを装着することで歯を白くしますが、この過程において吐き気を催してしまうことがあります。
今回は、ホームホワイトニングで吐き気が出る原因と対策について解説します。
ホームホワイトニングで吐き気が出る原因4選
歯科クリニックに通わないホームホワイトニングは、時間がない方や通院が面倒な方に人気ですが、以下のようなことが原因で吐き気が出るケースがあります。
・マウスピースに慣れていない
・圧迫感がある
・薬剤の量が多い
・歯科治療にトラウマがある
各項目について詳しく説明します。
マウスピースに慣れてない
マウスピースは人工物であり、慣れるまでにはある程度時間がかかります。
そのためホームホワイトニングを始めたばかりの頃は、口内に違和感が生じ、場合によっては吐き気を催してしまうことがあります。
このような期間は適用期間と呼ばれていて、通常は数回装着すれば徐々に慣れてきます。
またホームホワイトニングの場合、マウスピース矯正のように長時間装着し続けるわけではないため、違和感があっても吐き気を催さずに完了できることがあります。
圧迫感がある
ホームホワイトニングで使用するマウスピースは、患者さんの歯の形にあわせてオーダーメイドされたものです。
そのため、ピッタリと歯にフィットするような形状、サイズになっています。
しかしフィット感が強いということは、言い換えると圧迫感があるということであり、こちらが吐き気につながることが考えられます。
薬剤の量が多い
ホームホワイトニングで使用する薬剤は、一度に塗布する量が決まっています。
より強いホワイトニング効果を得ようと、大量に塗布する方も中にはいますが、こちらは吐き気につながるためおすすめできません。
特に喉の付近に、マウスピースから溢れた薬剤が流れてきた場合、嘔吐反射によってマウスピースを装着し続けるのは困難になります。
装着時間が短くなると、当然ホワイトニングの効果も薄れてしまいます。
また薬剤が口内に溢れると、歯茎に触れて痛みが発生したり、一時的に白濁したりする原因になります。
歯科治療にトラウマがある
過去の歯科治療でトラウマを抱えている方も、ホームホワイトニングによって吐き気を催しやすいです。
こちらは、マウスピースを装着することで、辛かったり気持ち悪かったりした治療のことを思い出す可能性があるからです。
ホームホワイトニングは自宅で気軽に行えるホワイトニングですが、ジャンルとしては審美歯科治療に該当します。
このように「治療をしている」という意識が強くなると、吐き気を催しやすくホームホワイトニングを継続するのが難しくなることもあります。
マウスピースの作製時に吐き気が出る可能性も
ホームホワイトニングの施術中だけでなく、専用のマウスピースを作製する際にも吐き気が出る可能性があります。
なぜなら、マウスピースを作成するには型取りを行わなければいけないからです。
先ほども触れたように、ホームホワイトニングで使用されるマウスピースはオーダーメイドで作製されます。
オーダーメイドでないと、しっかりとバランス良く全体の歯に浸透せず、ホワイトニング効果が薄まってしまう可能性があります。
そのため、型取りは必要不可欠な工程です。
また型取りの一般的な流れとしては、まず患者さんの歯の模型を作製し、その模型をもとに専用の機械を使用してマウスピースを作製します。
このときすでに吐き気が出ているという方は、ホームホワイトニングの施術中にも同じように吐き気を催す可能性が高いです。
ホームホワイトニングで吐き気が出たらどうする?
ホームホワイトニングで吐き気が出てしまう場合、十分なホワイトニング効果が期待できなかったり、体調が悪化したりするおそれがあります。
そのため、まずはマウスピースを作製した歯科クリニックの医師に相談してください。
あまりにも症状がひどい場合は、セラミック治療やラミネートベニアなど、別の治療法で歯を白くすることも検討します。
またマウスピースの装着時のみに吐き気が出る場合、マウスピースが合っていない可能性があります。
マウスピースは患者さんの口内に合わせて作製されますが、歯並びの変化などによって次第に合わなくなることも考えられます。
こういったケースでは、マウスピースをつくり直すことで吐き気が解消されることがあります。
ちなみに装着したばかりの頃の吐き気については、少しずつ慣れていく可能性が高いため、数日間は様子を見ましょう。
まとめ
せっかく空いた時間を利用してホームホワイトニングをしようとしたにもかかわらず、吐き気が出て十分に治療できないケースは決して珍しくありません。
ただし、ホームホワイトニングのマウスピースは薄く作製されるため、そこまで吐き気が長い間続くことは考えにくいです。
それでも問題が解決しない場合、マウスピースの装着を一時的に中止し、歯科医師の指示を仰ぎましょう。