歯並びが悪くても、長い間治療せずに過ごしていた人であれば慣れてしまいますが、放置しているとデメリットがあります。
歯並びが悪いときは、歯を矯正することでデメリットが解消されます。
歯を矯正するメリットについて解説します。
矯正治療による機能面のメリット
歯並びを矯正すると、見た目がよくなるのは当然ですが、口や歯の機能に関してもメリットがあります。
歯並びが悪い状態だと、上下の歯がしっかりと嚙み合わないことがよくあります。
食べ物を上下の歯でしっかりと挟むことができなくなってしまい、食べづらくなってしまうのです。
また、ものを食べるために顎を動かす際に不自然になってしまい、食べにくく感じます。顎の筋肉もバランスよく動かすことができないでしょう。
歯並びがよくなれば、歯が正しい位置に移動することで噛み合わせもよくなり、顎も正常な範囲で動くようになるため、食事がしやすくなります。
奥歯がズレて接する面積が少なくなってしまった場合や、奥歯が少なくなった場合、咀嚼効率が低下してしまうでしょう。
咀嚼効率とは物をかみ砕くことができる割合を示す数値であり、高いほど噛みやすいということを示しています。
噛み合わせが正常な場合と歯並びが悪い場合の接触面積を比較すると、歯並びが悪い場合は接触面積小さくなるのです。
接触面積が小さくなり咀嚼効率が落ちてしまえば、食べ物をしっかりと噛むことができず大きな塊のまま飲み込むケースが増えるでしょう。
歯並びを整えることで奥歯でしっかりと噛むことができるようになり、接触面積も増えて咀嚼効率も高まります。
また、歯並びは発音にも大きな影響を与えます。
特に前歯は大きな関係があり、うまく嚙み合わなければ発音がしづらくなるのです。
前歯の噛み合わせが悪くなる不正咬合には、開咬や上顎前突、下顎前突や反対咬合などがあります。
特に、サ行は発音が難しくなってしまうでしょう。
歯を矯正することで前歯の歯並びがよくなると、発音も改善され、どの言葉も明確に発音できてはっきりと伝えられるようになります。
子どものときに歯並びが悪いまま放置していると、顎も正常に発育できません。
その結果、顎の形が左右非対称になったり、前方に十分成長しなくなったりします。
子どもの歯並びを矯正する際は、成長してから悪影響が出ないようにすることも考えたうえで、顎の発育を促し、形や大きさもコントロールしていく必要があるのです。
矯正治療による口内の病気へのメリット
歯を矯正することは、口内の病気を予防してリスクを軽減するというメリットもありますが、具体的にはどのような病気を予防できるのでしょうか?
まず挙げられるのが虫歯です。
口の病気の中でも代表的な虫歯の原因となるプラークは、歯並びが悪いとコンタクトポイントが広くなるため、増えやすくなります。
歯並びを整えることでコンタクトポイントが狭くなり、プラークも減少して虫歯になるリスクを抑えることができるのです。
歯周病も、虫歯と同様にプラークがあると原因となる細菌が増えやすくなるため、歯並びが高いと発症するリスクが高くなります。
また、噛み合わせが悪いために一部の歯に強い負荷がかかると、歯周病を悪化させる原因にもなります。
歯並びを整えることで歯磨きがしやすくなってプラークも減少し、噛み合わせも改善されて一部の歯にだけ負荷がかかることがなくなるのです。
噛み合わせが悪いために顎にかかる負荷のバランスが崩れると、顎関節症になるリスクも高くなってしまうでしょう。
噛み合わせが悪いと、顎の動かし方や顎を動かすための筋肉の動きにもずれが生じます。
長く続くと顎関節症が起こるかもしれません。
顎の筋肉が痛むこともありますが、歯並びを整えることで顎の関節が正常な動きに戻り、筋肉の痛みも和らぐでしょう。
前歯が前方に傾いていたり、犬歯がはみ出していたりすると、転んでぶつけたときなどに折れる可能性が高まります。
歯並びを整えておくと、特定の歯だけが折れやすいという問題が解消され、衝撃を他の歯に分散して受け止められるでしょう。
歯並びが悪い場合は、虫歯の治療をする際に他の歯が邪魔になることが多く、歯を削る量も増えてしまいます。
矯正治療を受けて歯並びを整えることで治療がしやすくなり、歯を削る量も抑えることが可能です。
その結果、歯の寿命を守ることができます。
歯並びがよくないことを気にして、人前であまり笑わないという人もいますが、笑顔のほうが人に与える印象はよくなるため、歯並びを整えて自信をもって笑顔になりましょう。
まとめ
歯並びが悪いまま過ごしていると、歯の機能を妨げてしまうため、食べ物を上手く噛めなくなったり、発音が悪くなったり、顎の成長を邪魔したりすることがあるでしょう。
また、虫歯や歯周病のリスクも高くなり、顎関節症になる可能性も高くなってしまいます。
歯並びを整えることで、しっかりと噛むことができるようになって発音もよくなり、虫歯や歯周病になるリスクも抑えることができるでしょう。