歯周病は虫歯とは違い、発症していてもほとんど痛みを感じません。
そのため、治療が遅れることが多く、気付いたらかなり進行しているというケースもよく見られます。
では、歯周病の発症にいち早く気付くにはどうすれば良いのでしょうか?
今回はこちらの点について解説します。
歯周病の発症にいち早く気付く方法5選
歯周病の発症率は非常に高く、日本人のおよそ8割は発症していると言われています。
それでも気付かない方は多いため、いち早く発症に気付くには以下の方法を実践しましょう。
・定期検診に通う
・ブラッシングを丁寧に行う
・歯や歯茎の状態をこまめにチェックする
・寝起きの口内状態をチェックする
・食事の違和感を無視しない
各項目について詳しく説明します。
定期検診に通う
歯周病の発症にいち早く気付くには、やはり何と言っても歯科クリニックの定期検診に通うことが大切です。
定期検診では歯周病の有無を調べるだけでなく、歯茎の検査で進行状況を把握することもできます。
さらにプラークや歯石などの汚れを除去するクリーニングを受けたり、ブラッシングのアドバイスを受けたりすることも可能です。
また定期検診で早期に歯周病を発見し、治療することができれば、歯や歯茎にかかるダメージは軽減できます。
その他、必要な処置が少ない段階で治療できるため、トータルの治療費を抑えられるのもメリットです。
ちなみに定期検診の頻度については年齢や口内状態、歯周病の経験などによって変わってきますが、一般的には3~6ヶ月に1回程度が推奨されています。
ブラッシングを丁寧に行う
ブラッシングを丁寧に行うことでも、歯周病の発症に気付きやすくなる可能性があります。
なぜなら、歯周病を発症している場合、ブラッシング時に歯茎から出血する可能性が高いからです。
こちらの症状に関してはご存知の方も多いでしょう。
歯周病の場合、それほど強く磨いていなくても、歯ブラシの毛先が歯茎に触れただけで簡単に出血します。
そのため、丁寧にブラッシングをしていれば、ほぼ間違いなく気が付きます。
しかし、中にはブラッシングをおろそかにしている方もいます。
例えば歯ブラシを大きく動かし、しっかり歯を確認しないままうがいをしてしまう方などは、もしかすると出血に気が付かないかもしれません。
歯や歯茎の状態をこまめにチェックする
歯や歯茎の状態をこまめにチェックすることも、歯周病をいち早く発見するには大事なことです。
歯周病を発症している方は、歯茎が赤く腫れたり、膿ができたりするケースが多いです。
また歯茎が下がり、以前よりも歯が長くなったように感じることもあります。
このような症状が出ている場合は、できるだけ早く歯科クリニックに通い、歯周病の検査や治療を受けるべきです。
また歯に関する症状についても、見逃してはいけません。
歯周病の方は歯周ポケットが大きくなるため、歯と歯茎の間に食べカスやプラークが溜まりやすくなります。
さらに歯が浮いたような感じがしたり、以前より歯並びが悪くなったように感じたりする場合も、歯周病の疑いがあるため、歯科クリニックに相談するべきです。
たとえ歯周病でなかったとしても、歯周組織に問題が起きていることは間違いないため、通院して損はありません。
寝起きの口内状態をチェックする
起きているとき、口内状態の変化をそれほど感じないという方は、寝起きの口内状態をチェックしてみましょう。
このとき、明らかに口内がネバネバするという場合は、歯周病を発症している可能性があります。
また寝起きの口臭がきついという場合も、歯周病の可能性が高いです。
ちなみに口臭が出ている本人は、自身の口臭をほとんど感じません。
そのため、コップやビニール袋を用いた方法で、起きてすぐの口臭を確認してみましょう。
方法としては、まずコップやビニール袋に息を吹き込んで一度閉じます。
その後数秒置いてから中のニオイを嗅いだとき、不快なニオイを感じたら口臭が出ている可能性が高いです。
食事の違和感を無視しない
歯周病の症状が出ている場合、食事にもさまざまな支障をきたします。
例えば、歯の根元が冷たいものでしみたり、硬いものを噛み砕きにくくなったりします。
歯周病が進行すると歯茎が下がり、象牙質が露出するようになります。
こちらに食べ物の刺激が加わると、しみるような痛みが出ます。
また歯周病の方は咀嚼能力が低下しているため、特に硬いものは細かく砕けなくなる可能性があります。
これにより嚥下困難を引き起こす可能性もあり、高齢の方は誤嚥性肺炎で命を落とすリスクも高いため、注意が必要です。
歯周病を早く治療するには、これらの違和感を見逃さないでください。
まとめ
患者さんの力だけでは、歯周病の発症にいち早く気付くのは難しいです。
また歯周病に該当する症状が出ていたとしても、そこで素早く通院できるかどうかは、患者さんに委ねられています。
そのため、患者さん自身の判断で歯科クリニックに通うのも大切ですが、基本的には定期検診から早期発見・早期治療をするという流れをつくっておくべきです。