【鶴見・川崎の歯医者】笑気吸入鎮静法について

歯科治療で歯を削るときは麻酔をかけてから行いますが、麻酔にはいくつかの種類があり、治療内容や症状によって使い分けることになります。

麻酔法の一種に笑気吸入鎮静法がありますが、具体的にはどのような麻酔法でしょうか?

笑気吸入鎮静法の内容と、どのような時に使用される麻酔法かを解説します。

笑気吸入鎮静法とは?

笑気吸入鎮静法は、無痛分娩にも使用される非常に安全性の高い治療法であり、リラックスした状態でストレスなく治療を受けることが可能です。

使用される笑気ガスは、10~30%の亜酸化窒素と70~90%の酸素を混合した亜酸化窒素であり、使用する際は鼻呼吸によってゆっくりと吸入します。

弱い睡眠・鎮静・鎮痛作用があり、一部を麻痺させる浸潤麻酔とは違い、浅い眠りのようなリラックスした状態で治療を受けられる点がメリットです。

体が温かくなってきたと感じる方、お酒を飲んだ時の様に気持ちのよいほろ酔いの状態になると感じる方など、感じ方は人によって異なります。

しかし、共通しているのは意識が半覚醒の状態になるため、治療にかかる時間が短く感じて、すぐに終わったと感じるという点です。

笑気ガスと呼ばれるのは、ガスを吸入することで緊張や不安、恐怖などを感じにくくなり、弛緩して笑っているように見えることが由来です。

治療後は、100%の酸素を吸入することで亜酸化窒素がすぐに排出されるため、体内に蓄積されたり副作用が起こったりすることはありません。

主に使われる治療は?

笑気吸入鎮静法は、特別な治療に用いられる麻酔法ではなく、ほとんどすべての症例に対応しているため、麻酔が必要となる治療では浸潤麻酔と併せて使用できます。

笑気吸入鎮静法を選ぶのは症例ではなく、治療を受ける患者によるものであり、歯科治療に対する不安感が強い、恐怖心を抱いているという場合に選ばれます。

また、全身疾病がある患者や、精神的ストレスを避けたい患者、嘔吐反射が強い患者なども、笑気吸入鎮静法で治療を行うことが多いでしょう。

歯科治療で一般的に行う麻酔は浸潤麻酔という、歯肉に針を指して骨に麻酔液を浸透させるという麻酔法で、歯肉の治療にも同様に行います。

歯肉には麻酔液が直接注入されているため確実に効果が出ますが、歯の治療では骨に浸透させる必要があるため、麻酔が効きづらいケースも少なくありません。

効きにくいのは、体質が問題というケースもありますが、多くの場合は歯根の位置や骨の厚み等に問題があります。

歯根は、大部分が頬側にあるため、麻酔を頬側に打てば効果は得られますが、下の奥歯については異なります。

下の奥歯は、歯根の先端部分が骨の中央から舌側にあることが多いため、骨の厚みによっては頬側に打っても効きづらいことがあるのです。

また、下の親知らずの手前にある下顎第二大臼歯は骨が他の歯より2倍以上厚いため、麻酔はさらに効きにくくなります。

浸潤麻酔の場合、骨の中に麻酔液を浸透させるには、麻酔液の量を増やしても時間がかかるうえ、一度痛みを感じてしまえば麻酔の効果が発揮されません。

笑気吸入鎮静法は全身に影響を及ぼし、リラックスさせることができますが、麻酔としての効果はあまり高くないため、単体では不十分なことがあるでしょう。

一般的には、笑気吸入鎮静法を行って半分眠ったような状態になったところで、浸潤麻酔や伝達麻酔などの局所麻酔を行ったうえで、治療をします。

表面麻酔とは違って意識にも作用するため、注射に対する恐怖心を和らげることができ、不安で血圧が上がったり気分が悪くなったりすることもなくなるでしょう。

麻酔ガスと聞いて不安に思う人もいますが、意識を完全に失うようなものではなく、不安がある場合は事前に体験することもできます。

笑気吸入鎮静法がおすすめの人

歯科治療に対して不安や恐怖心をお持ちの方や、高血圧や不整脈などの心疾患がある方、とにかく治療中のストレスを軽減したい方には、笑気吸入鎮静法がおすすめです。

また、口の中に器具を入れたときに嘔吐反射が強くえずいてしまうという人も、笑気吸入鎮静法であれば反射が鈍くなります。

一方、喘息などの呼吸器系の疾患がある人やてんかんの発作があるという人は、笑気吸入鎮静法を避けた方がいいでしょう。

笑気は鼻から吸入しなくてはならないため、鼻詰まりやアレルギー性鼻炎などで、鼻呼吸が難しい方も避けた方がよいかもしれません。

他にも、妊娠初期の方や過呼吸発作の心配がある方などは、笑気吸入鎮静法による治療を避けてください。

まとめ

伝達麻酔は、神経をブロックして麻酔をかける麻酔法です。

歯の周辺の末梢神経だけではなくより中央に近い神経まで麻酔の効果を及ぼすため、痛みを感じるケースが少なくなります。

主に下の親知らずを抜歯する際に行われる麻酔法で、上の親知らずの抜歯には使えないことも多いでしょう。

全身麻酔よりも安全性が高いのが特徴ですが、浸潤麻酔より効果が高いため、心臓の持病などがある場合は受けられないこともあります。

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