虫歯は痛みや歯の変色以外にも、さまざまな症状を引き起こします。
その一つが口臭であり、こちらは発している本人に自覚症状がないことが厄介です。
また口臭には多くのデメリットがあり、放置していると生活に支障をきたします。
今回は、虫歯の放置によって口臭が出ることのデメリットについて解説します。
虫歯の放置によって口臭が出ることのデメリット5選
虫歯がある程度進行すると、強い口臭を発するようになります。
こちらのデメリットは主に以下の通りです。
・避けられがちになる
・消極的になる
・同僚のパフォーマンスを下げる
・歯周病を発症しやすくなる
・ガンのリスクが高まる
各デメリットについて詳しく説明します。
避けられがちになる
虫歯の放置によって口臭が悪化すると、周りの人たちから避けられる可能性が高いです。
重度の虫歯の場合、歯の根の先に膿が溜まっていて、それが原因で口臭を発することがあります。
こちらは非常に強いニオイであり、数m離れていても相手に伝わるほどです。
そのため、ニオイを感じた職場の同僚などからは、次第に会話などのコミュニケーションを取ることを避けられがちになります。
また周りの人たちから避けられるようになると、職場などで孤立していき、居場所がなくなってしまいます。
そのような状況で仕事を続けることは、大きな精神的ダメージにつながります。
もちろん、避けられがちになるのは職場の同僚だけでなく、友人ひいては家族にも言えることです。
消極的になる
先ほどの続きのようになりますが、虫歯の放置によって発せられる口臭がひどくなると、徐々に消極的になることも考えられます。
周りの人たちから避けられるようになると、口臭の自覚症状がない方でも、徐々に自身の口臭が原因だと気づき始めることがあります。
特に重度の虫歯による口臭の場合、あまりにニオイがひどいことから、その噂が広まって本人の耳に入ることも考えられます。
また口臭があると自覚し出してからは、それが気になってしまい、できる限り自分から話さない、近づかないといった消極的な行動を取りがちです。
その結果、人間関係が希薄になったり、仕事に支障をきたしたりするケースも珍しくありません。
同僚のパフォーマンスを下げる
虫歯が原因の口臭がひどい場合、同僚のパフォーマンスを下げることにもつながります。
例えば毎日隣のデスクで仕事をする同僚などは、口臭が気になってしまい、業務に集中できなくなる可能性があります。
こちらは特定の同僚のパフォーマンス低下だけにとどまらず、職場全体の生産性を低下させることも考えられます。
また近年は、職場において口臭がスメハラ認定されるケースも多いです。
スメハラはスメルハラスメントの略であり、職場でニオイを発することで周囲の人に迷惑をかける行為です。
具体的には、お風呂に入っていないことによって体臭がきつい場合、香水などのニオイが強い場合などが該当します。
当然口臭によってパフォーマンスを低下させることも、スメハラの一種として捉えられ、場合によっては同僚の離職などにつながるおそれもあります。
歯周病を発症しやすくなる
虫歯の口臭が出ている状態をそのまま放置すると、同じく口内の疾患である歯周病の発症リスクも高まります。
こちらは口臭の原因である硫化水素の働きが関係しています。
硫化水素は、腐った卵に似た強烈な刺激臭を持つ無色の気体です。
人間の鼻で感じることができる最少濃度が低いため、他の臭気物質と比べてニオイを感じやすいという特徴を持っています。
そのため、少しでも口内から硫化水素が発せられると、強烈な口臭として相手に届きやすくなります。
また硫化水素には、歯茎を溶かす作用があります。
このことから、虫歯の口臭が出ている状態が続くと、次第に歯周病の症状も悪化するようになります。
ちなみに、歯周病も口臭を引き起こす疾患の一つであるため、虫歯と合わせて発症すると口臭はさらに強烈なものになります。
ガンのリスクが高まる
虫歯の放置によって口臭が出ると、ガンのリスクも徐々に高まります。
なぜなら、活性酸素の量が増えるからです。
活性酸素は、呼吸によって取り込まれた酸素が化学反応を起こして発生する、他の物質を酸化させる力の強い酸素化合物です。
こちらは前述した硫化水素が分泌量を増やすもので、多く分泌されるほどガンを発症しやすくなることで知られています。
また活性酸素には、血液中の悪玉コレステロールを酸化させて動脈硬化を引き起こしたり、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めたりする作用もあります。
まとめ
単に口臭はニオイを発するだけのものと思ったら大間違いです。
患者さんは口臭が原因で周囲から孤立したり、さまざまな疾患のリスクを高めたりすることがあります。
もちろん、友人や同僚など、周りの人に与える影響も計り知れません。
そのため、強い口臭が発生する前に、歯科クリニックで虫歯を治療しましょう。
もっと言えば、定期検診を受けて虫歯を発症する段階からケアすることが大切です。