虫歯は本来、歯に穴が開くまでに歯科クリニックの定期検診で発見し、早期に治療を受けなければいけません。
しかし、実際は歯茎や神経にまで及んでいても、治療を受けようとしない方がいます。
また虫歯を放置すると、疲れやすい体質になることが考えられます。
今回はこちらの理由を中心に解説します。
虫歯を放置すると疲れやすくなる理由4選
以下の理由により、虫歯を治療せずそのままにすると疲れやすくなります。
- ストレス
- 睡眠の質の低下
- 噛み合わせの悪化
- 栄養不足
各項目について詳しく説明します。
ストレス
虫歯を放置するということは、当然歯の痛みは出続けているということになります。
また軽度の虫歯の場合はそれほどでもありませんが、重度の場合は常にズキズキとした強い痛みに襲われます。
このような状況が続くと、慢性的なストレスを感じるようになります。
身体がストレスを抱いている場合、通常よりも体力を消耗しやすくなり、疲れやすい体質になってしまいます。
例えば、仕事でも少しうまくいかないだけで長時間怒ってしまったり、育児の際は強い口調で子どもを叱ってしまったりすることがあります。
ストレスによって身体に力が入ったり、大きな声を出したりするようになると、疲労が溜まりやすくなるのも無理はありません。
睡眠の質の低下
睡眠の質が低下することも、虫歯によって疲れやすい体質になる理由の一つです。
虫歯がズキズキと痛む状態では、満足に睡眠を取ることができません。
仮に熟睡できたとしても、痛みで起きてしまう可能性があります。
また睡眠の質が下がると、肉体的・精神的な疲労が蓄積され、疲れやすさや倦怠感といった症状が現れます。
さらに仕事や勉強などの効率が低下したり、生活習慣病のリスクが高まったりするおそれもあります。
噛み合わせの悪化
虫歯を治療せずに放置していると、噛み合わせが以前よりも悪化します。
こちらは、虫歯菌に蝕まれた歯が変形し、対向する歯と噛み合わなくなることが理由です。
また噛み合わせが悪くなると、疲れやすくなることも考えられます。
しっかり上下の歯が噛み合っている場合、顎周辺も適切に機能しますが、噛み合わせが悪いと顎の筋肉が緊張して血行が悪くなります。
血行が悪化すると、全身の細胞に酵素や栄養がうまく行き渡らず、エネルギー不足になって疲労を感じやすくなります。
栄養不足
栄養不足になることも、虫歯を放置すると疲れやすくなる理由です。
虫歯が複数本ある方は、どこの歯で噛んでも強い痛みを感じるようになります。
このことから、食事を摂ることが嫌になり、徐々に食べる量が減っていくことが考えられます。
また食事の量が少ないということは、摂取する栄養も少ないということであり、このような状況が続くと栄養不足に陥ります。
栄養不足になれば、疲れやすくなったり、なかなか身体が回復しなくなったりします。
さらに鉄分の不足などが原因で血液中のヘモグロビンが減少すると、全身で酵素が不足して疲れが強くなります。
そのため疲労感を軽減するには、ビタミンB群やビタミンC、タンパク質などの栄養素をバランス良く摂取しなければいけません。
サプリメントなどではなく、あくまでできる限り食事から摂ることが大切です。
糖尿病が疲れを誘発する可能性も
虫歯があるにもかかわらず放置している方は、得てして十分なブラッシングができていないものです。
ブラッシングが不十分な方は、虫歯だけでなく歯周病を発症している可能性も極めて高いです。
また歯周病は血糖値を高め、糖尿病を発症するリスクも高めますが、こちらの疾患が疲れを誘発することも考えられます。
糖尿病になると、インスリンの作用不足によってブドウ糖をうまく使えないため、エネルギー不足になります。
そのため、今までは何ともなかった軽い運動などでも、非常に疲れを感じやすくなることがあります。
ちなみに糖尿病患者の方は、睡眠時無呼吸症候群や糖尿病神経障害による手足のしびれなどにより、十分な睡眠を取れないこともあります。
疲れやすくなることのデメリット
先ほども触れたように、疲れやすくなると仕事や家事のペースが落ちたり、効率が悪くなったりします。
また何事に対してもやる気が出ず、眠気も強くなることから、ミスも起こりやすくなります。
さらに疲れはストレスや自律神経の乱れにつながり、どんどん身体から免疫力を奪っていきます。
免疫力が低下すると、細菌などから身体を守ることができず、疾患のリスクも上昇します。
ここでいう疾患には、心筋梗塞や脳梗塞といった命の危険がある疾患も含まれます。
まとめ
日々生きていく上で、疲労を回復させるというのはとても重要なことです。
仕事や家事、勉強や育児など、何をするにもまずは体力がなければ始まりません。
しかし、虫歯の放置は身体を疲れさせるリスクを高めるため、できるだけ早く治療を受けることをおすすめします。
虫歯治療自体が疲れの原因となることもありますが、疲れやすい状態がずっと続くよりは、一時的な負担に耐える方がまだマシです。