虫歯を治療したとき、第一に装着が考えられる詰め物として銀歯が挙げられます。
実際、虫歯治療後は銀歯が適用されるケースが多いですが、こちらは自由診療のインレーと比べて劣化しやすいという欠点があります。
今回は、銀歯を装着してある程度経過したタイミング、つまり劣化した状態で食べない方が良いものを解説します。
銀歯が劣化した状態で食べるべきではないもの6選
銀歯を装着して数年以上経過している場合、以下のようなものはなるべく食べるのを控えるべきです。
・ガム
・キャラメル
・ソフトキャンディー
・餅
・煎餅
・ナッツ
各項目について詳しく説明します。
ガム
ガムを噛むこと自体は、唾液の分泌を促すことにつながるため、本来は効果的な虫歯予防になります。
しかしガムは粘着性が高いことから、劣化した銀歯とはあまり相性が良くありません。
銀歯はセメントを使用し、天然歯に接着されていますが、装着から時間が経過するとセメントの接着力が弱まります。
そのため、ガムを噛んだ拍子に銀歯の部分だけが引き上げられてしまうことがあります。
キャラメル
キャラメルもガムと同じく粘着性が高いため、銀歯が劣化した状態では食べない方が良いです。
銀歯にくっついてしまい、天然歯から外れるリスクが高まります。
またキャラメルは、粘着性が高いだけでなく糖分も極めて高いです。
砂糖を加熱することによってつくられるため、言うなれば砂糖そのものです。
そのため、頻繁に摂取することで虫歯のリスクを高める原因にもなります。
ソフトキャンディー
ソフトキャンディーも、粘着力があるため銀歯が劣化したタイミングで摂取するべきではありません。
ソフトキャンディーとハードキャンディーは、どちらも水飴と砂糖が主原料ですが、ソフトキャンディーにはゼラチンを使用しているものも多いです。
ゼラチンを使用することにより、ソフトキャンディー独特のやわらかな食感に仕上がります。
しかし、銀歯が外れるリスクはソフトキャンディーの方が高いです。
餅
甘いもの以外で粘着性が高い食べ物としては、餅も挙げられます。
餅も噛んだときに歯にくっつきやすいことから、劣化した銀歯が取れてしまうリスクが高まります。
また餅はキャラメルやソフトキャンディーなどとは違い、甘いお菓子ではありません。
しかし炭水化物であるため、糖分は高く、摂取することで虫歯を発症しやすくなります。
特に焼いたり煮込んだりと、熱したお餅は粘着性が高い上にやわらかいため、歯に付着したものが残ってしまう可能性も高いです。
煎餅
煎餅は硬い食べ物であり、これまで紹介したものとは毛色が違いますが、銀歯が劣化している場合は避けるべき食べ物です。
特に硬さのある厚焼き煎餅などは、劣化した銀歯のある歯で噛まないことをおすすめします。
煎餅のような硬い食べ物を噛むことにより、銀歯には強い負荷がかかります。
そのため、くっつきやすい食べ物でなくても、硬いものを咀嚼しつづけることでポロッと外れることがあります。
ナッツ
ナッツも煎餅と同じく、硬さのある食べ物であり、銀歯が外れてしまうリスクを高めます。
特にアーモンドなどはナッツの中でも硬度が高く、銀歯が劣化したタイミングでは食べないことをおすすめします。
ただし、銀歯がない方の歯で噛むのはおすすめです。
なぜなら、ナッツにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれていて、歯のエナメル質を強化する働きがあるからです。
また酸の攻撃から歯を守ったり、抗炎症作用によって歯茎の健康維持をサポートしたりする効果もあります。
銀歯が外れてしまった場合の対処法
上記の食べ物の影響により、銀歯が外れてしまった場合は、以下のような方法で対処すべきです。
・冷たいもの、熱いものをなるべく避ける
・銀歯とは反対側の歯で噛む
・早めに通院する
銀歯が外れてしまった場合は、とりあえず冷たいものや熱いものをなるべく食べないようにしましょう。
銀歯が取れているということは、歯の内部が露出しているということであるため、温度のあるものはしみやすくなります。
また銀歯が取れた部分の歯はとても弱っていて、少しの衝撃でも割れたり欠けたりする可能性があります。
そのため、銀歯が取れた方とは別の歯で噛み、食事の負担を軽減することも大切です。
ちなみに、銀歯が取れたその日に歯科クリニックに通えるのであれば、迷わずに通院しましょう。
歯に穴が開いたまま放置していると、前述の通り痛みや破損につながるだけでなく、食べカスやプラークで穴が埋まってしまうことも考えられます。
もちろん、こちらは虫歯のリスク上昇にもつながります。
まとめ
何年も使用した銀歯が劣化するのは致し方ないことです。
保険診療で装着される素材であるため、そこまで劣化に耐えられるほどの品質を維持することはできません。
また劣化した銀歯は、なるべく外れる原因になる食べ物を避けつつ、早めに交換することをおすすめします。
トラブルが起こる前に交換することで、二次虫歯などのリスクを軽減できる上に、歯の審美性を保つことにもつながります。