銀歯は虫歯治療後の詰め物としてよく使用されますが、可能であれば他の材料を選択することをおすすめします。
なぜなら、銀歯は口の中に補綴物を入れていることが目立ちやすく、審美性に影響が出るからです。
今回は、なぜ銀歯が目立ちやすい素材なのかについて解説します。
銀歯が目立ちやすい素材である理由6選
銀歯は以下の理由により、他の材料と比べて目立ちやすくなっています。
・金属の色をしている
・金属アレルギーのリスクがある
・メタルタトゥーのリスクがある
・経年劣化しやすい
・反射性がある
・目立つ位置に装着されやすい
各項目について詳しく説明します。
金属の色をしている
銀歯は名前の通り銀色の詰め物であり、明らかに金属だとわかる見た目をしています。
そのため、白い歯の中に銀歯が1本だけ混ざると、どうしても目立ってしまいます。
もちろん、装着する数が多ければ多いほど目立つようになるため、虫歯治療を受けたことをあまり知られたくない方にとってはデメリットです。
金属アレルギーのリスクがある
金属でできている銀歯を口内に入れることで、金属アレルギーを発症する可能性があります。
また金属アレルギーを発症すると、銀歯が変色して余計に目立つ色合いになり、口を開けたときの審美性は著しく低下します。
ちなみに銀歯そのものの劣化だけでなく、金属アレルギーの影響で歯茎や頬の内側に口内炎ができることでも、口元の審美性は下がります。
メタルタトゥーのリスクがある
金属素材である銀歯は、メタルタトゥーを引き起こすことがあり、こちらも目立つ原因になります。
装着からある程度時間が経過すると、銀歯の金属が口内に溶け出すことがあります。
このとき溶け出す物質は金属イオンというものであり、こちらが歯茎に付着すると黒っぽく変色します。
もちろん、変色するのは銀歯が装着されている歯の真下だけとは限りません。
広範囲に変色が見られると、見た目が目立つ上に不健康なイメージを与えてしまいます。
経年劣化しやすい
銀歯は数ある素材の中でも、経年劣化が見られやすいという特徴があります。
こちらは表面が傷つきやすく、プラークが付着しやすいことが原因です。
また経年劣化しやすいということは、見た目が悪くなるまでが早いということであり、装着から数年経てばかなり目立ちやすくなります。
ちなみに銀歯の寿命は平均して5~7年程度と言われていますが、メンテナンスが不十分な場合はもっと早く劣化することも当然あります。
反射性がある
金属素材の銀歯には、光を反射しやすいという特性もあります。
こちらも場合によっては、銀歯が目立つ理由になります。
例えば、太陽の光が眩しい場所では、銀歯が光を反射して際立つことが考えられます。
また特に厄介なのが、カメラのフラッシュです。
フラッシュがたかれたとき、銀歯に反射するとそこだけ光ってしまい、それが写真として残ることになります。
もちろん室内の照明でも同様の現象が起こるため、銀歯は意識しなくても目に付きやすいです。
目立つ位置に装着されやすい
銀歯は虫歯治療時に使用されるものですが、目立つ位置に装着されるケースが多いです。
虫歯が発症しやすい場所は、主に奥歯や歯間部などです。
奥歯は奥まった部分にあるため、それほど目立たないと思われがちですが、口を開けたときには非常に目につきやすいです。
そのため、奥歯に銀歯を装着している方は、心理的な影響からあまり口を開けられなくなる可能性があります。
また治療した歯間部が前歯に近い位置の場合も、会話の際などに銀歯が目立ちやすくなります。
目立つ銀歯はセラミックに交換すべき
口を開けたときに目立ちやすい銀歯については、自由診療のセラミックに交換することをおすすめします。
セラミックは吸水性の性質がないため、変色して黄色くなることはありませんし、ある程度の強度もあるため擦り減る心配もありません。
また透明感もあり、患者さんの歯に馴染むような自然でキレイな歯が手に入ります。
銀歯は天然歯の色に合わせることができませんが、セラミックはある程度既存の天然歯に合わせて色を調整することができます。
さらに表面のキメが細かいことから、汚れが付きにくく衛生面でも優れています。
丁寧に日々のブラッシングを行っていれば、一般的には10~15年程度美しさをキープできます。
ちなみにセラミックの場合、自費診療で10万円以上かかることもありますが、見た目を重視する方にとっては決して高くない治療だと言えます。
前述の通り寿命が長いことから、コストパフォーマンスで言えばむしろ安いくらいです。
まとめ
銀歯が歯科クリニックで多くの患者さんに選ばれていることは事実であり、決して危険な補綴物というわけでもありません。
しかし安易に銀歯を選んでしまうと、審美性を高められない可能性は極めて高いです。
また銀歯がダメになった場合はセラミックなどで代用できますが、最初からセラミックを選ぶ方が効率的です。
歯科医師に相談しながら、自身の要望にピッタリの補綴物を選びましょう。